財務諸表・決算書の分析はグラフにして並べるとわかりやすい

数あるWEBサイトの中から、本サイトを訪問していただき誠にありがとうございます。

本サイトは、上場企業を中心に財務諸表(決算書)の数値を表に変換、グラフを作成して、企業の決算をわかりやすく理解出来るようにする事を目的に制作されています。

東京証券取引所等を通して株式が売買される上場企業では、有価証券報告書(有報)の提出が義務付けられており、その中に、売上高や、利益、資産、負債など、その企業の財務上の数字が発表されています。

例えば、株式会社ZOZOの有価証券報告書(第20期)の第1部の企業情報では、主要な指標が掲載されていますが、数字の羅列のみとなり、グラフなどの表示はないため、慣れている方でも、非常に分かりにくい内容になっています。

サイトの説明_有価証券報告書_抜粋1

また、決算発表時には、企業による決算説明資料が発表され、その中にはグラフが表示されていることが多いのですが、その資料はあくまでも、企業独自の観点で作成されてるため、
企業側の見せたい数字を目立たせて、作成されている場合もあります。

このサイトは、

  • 企業情報
  • 損益計算書
  • 借対照表(バランスシート)
  • キャッシュフロー計算書
  • 資産と売上(利益)を同じ縮尺で比較したグラフ

の上記5つのパートで、基本的に構成されています。

以下より、当WEBサイトでの人気企業である、株式会社ZOZO(以下ZOZO)と、ソフトバンクグループ株式会社(以下ソフトバンクグループ)のページを中心に、サイトの説明をさせていただきます。

資産と売上(利益)を同じ縮尺で比較したグラフ

最初に紹介するのが、「資産と売上(利益)を同じ縮尺で比較したグラフ」です。
当サイトでは、まとめとして最後に近い部分に表示しています。
このグラフを見れば、企業の業績と規模が、ある程度掴めるかと思います。

まずは、ZOZOから(単位は百万円)、
サイトの説明_ZOZO_抜粋1

右側のパートが、売上や利益等を表示している部分、左側のパートが資産や負債、資本金等を表示している部分となります。一見しただけでZOZOは、

●資産を超える売上高
●資産の内、流動資産の割合が多く、また現金も多く保有している
●固定負債の割合が、流動負債に比べて少ない
●売上高の約1,000億円に対して、約30%ほどの営業利益

という情報が、感覚的に理解出来るかと思います。

続いてソフトバンクグループ(単位は百万円)、

サイトの説明_ソフトバンクグループ_抜粋1

●総額30兆円を超える資産総額
●流動資産より、非流動資産が大きい
●負債が多く、その中でも固定負債に対する有利子負債が大きい

以上のように、資産と損益を同じ縮尺で並べることにより、その会社の規模と損益、その割合などが、ひと目で理解することが出来るかと思います。

業績は数年間を見ることにより推移の変化や、同業他社と比べることにより、その企業の特徴も見えてくる事かと思います。

業種によっては、不動産業のように、多くの固定資産が必要となる業種(例、住友不動産)もあれば、小売業のように、売上に対して利益が少ない業種(例、イオン)もあることも、財務諸表を読み解く事で、理解することができます。

続いて、各項目と用語の説明をしたいと思います。

企業情報

最初のパートの「企業情報」について紹介します。基本的にその企業の公式WEBサイト上の、会社概要のページや、有価証券報告書に記載の情報を基に作成しています。

会社名をはじめ、企業の基本的な情報をまとめています。

本サイトでは、企業によって、サービス内容や、子会社の表記をしている場合もありますが、財務上の数字をグラフにする事を念頭においているため、その表記がない企業もあります。(情報はサイト作成時のもので、変更されている可能性もあります)

役員報酬

有価証券報告書には、取締役等の報酬の総額を表記する必要があります。株式会社ZOZOは、

サイトの説明_有価証券報告書_抜粋2

となり、取締役8名に対し、2億9,400万円を総額で支給しています。
次に、ソフトバンクグループを見てみると、

サイトの説明_有価証券報告書_抜粋3

取締役3名に対して、5億6,100万円が支給されている事がわかります。ここで、注意が必要なのは、提出会社の役員区分という文字です。この提出会社とは、ソフトバンクグループ株式会社からのみの報酬となり、そのグループ企業(例えば、子会社であるソフトバンク株式会社やアーム等)の報酬は含まれておりません。
しかし、総額で1億円以上がグループ企業を含めて支給された役員に関しては、それも表記する必要があります。

 サイトの説明_有価証券報告書_抜粋4

代表の孫氏は1億3,700万円の報酬。ロナルド・フィッシャー氏は、孫氏を大きく上回る、総額20億1,500万円が、グループ企業から支給されている事がわかります。

逆にZOZOには1億円を超える報酬を得ている役員はいません。SNS等で話題の代表取締役の前澤氏も、1億円以上の報酬を、ZOZOグループからの報酬としては、受け取っていないことが分かります。(2019年3月期は、1億8,400万円の報酬)
しかし配当金や、グループに連結されていない企業の報酬は、表記する必要がないため、当然ながら、その個人としての総額年収についてはわかりません。

有価証券報告書を読み解くことで、その企業のリーダーが、売上高や利益という成績に対して、見返りともいえる報酬を、どのくらい受けているかを確認することができます。

平均年間給与

上場企業は、従業員の平均年間給与も表記する必要があります。
ZOZOは524万円、ソフトバンクグループは1,158万円となります。

上記は提出会社の平均年間給与となり、グループ企業全体の平均年間給与ではありません。
ソフトバンクグループは、グループ全体で、約7万5000人の従業員数がいますが、その持ち株会社である、ソフトバンクグループ株式会社では195名の従業員数となります。
その195名の平均年間給与が、1,158万円となります。

損益計算書

続いて、損益計算書のパートとなります。損益計算書は、企業が会計期間において、どのくらいの金額を稼ぎ出したかを表示しています。本サイトでは、基本的に3期分の期間を表記しています。

まずは、ZOZOから、

サイトの説明_ZOZO_抜粋2

●売上高(青)
企業の目的である、商品や製品などの販売又はサービスによって得た代金

●営業利益(緑) 
売上金から、売上原価、販売費及び一般管理費、を引いたもの、企業の営業活動における利益

●経常利益(黄色)
営業利益に、営業外収益を加え、営業外費用等を差し引いたもの。経常的に発生する利益

●親会社の所有者に帰属する当期純利益(オレンジ)
経常利益から、特別利益を加え、特別損失や法人税等を差し引いたものを、当期純利益といいます。上場企業を含め多くの大企業は、会計上で連結された子会社や、関係会社があります。そして、その子会社等の株式をすべて保有しているとは限りません。
そのため、株式の保有割合に応じて計算された利益額が、親会社の所有者に帰属する当期純利益となります。

●営業利益率
売上高に対する、営業利益の割合。

●粗利益率 
売上高に対する、売上総利益(粗利)の割合。

●売上原価率
売上高に対する、原価の割合。

●1株当りの利益
企業の1株あたりの利益額

ZOZOは、日本方式の会計基準方式を採用しているため、各項目は上記になります。
ソフトバンクグループは、IFRS方式(国際会計基準)を採用しているため、項目をはじめ計算方式が異なります。

サイトの説明_ソフトバンクグループ_抜粋2

売上高が収益の表記(青)、経常利益ではなく、税引前利益(黄色)の表記となります。

●税引前利益(黄色)
経常利益に、特別損益を加算したもの。

会計基準における、日本方式とIFRS方式は、その計算方法など様々な違いがありますが、このサイトでは、その説明を割愛します。しかし、基本的な部分は共通しているため、比較することは可能です。会計基準に、ご興味ある方は別途調査してみてください。

貸借対照表(バランスシート)

続いてのパートは、「貸借対照表」です。貸借対照表(バランスシート)は、決算日時点の締め日において、どのくらいの資産や負債を持っているのかを、表記したものとなります。

左側(資産の部)と右側(負債と純資産の部)が、英語では、バランスシートと呼ばれ、原則同じ金額となります。

サイトの説明_ZOZO_抜粋3

●流動資産(緑)
通常1年以内に現金化、費用化ができるもの(現預金、売掛金等)
●固定資産(青)
事業を運営していく際、一年を超えて使用する資産(土地、建物等)
●流動負債(赤)
1年以内に支払いの期限が到来する債務(短期借入金、買掛金等)
●固定負債(オレンジ)
1年以内に支払いの到来しない債務(長期借入金、社債等)
●純資産(黒)
資産総額から負債総額を差し引いた資産(資本金、利益剰余金等)

IFRS方式を採用する企業では、財政状態計算書という名前になります。
また、固定資産が、非流動資産、固定負債が、非流動負債
純資産が、資本となります。

サイトの説明_ZOZO_抜粋4

●総資産
流動資産に固定資産(非流動資産)を加えたもの

●現金及び預金
企業が保有する現金と預金の総額

●有利子負債
利子の発生する負債総額(借入金や社債等)
※本サイトでは、リース債務は除いております

●利益剰余金
企業が今まで、生み出した利益を積み立てた総額(純資産の部、資本の部に表示)

●純資産比率
総資産÷純資産(資本)×100 (総資産に対して純資産がどの程度の割合か表示)

●ROA(Return On Assets)
親会社の所有者に帰属する当期純利益÷総資産×100
※総資産に対して、利益がどの程度の割合か表示

●ROE (Return On Equity)
親会社の所有者に帰属する当期純利益÷純資産(資本)×100
※純資産(資本)に対して、利益がどの程度の割合か表示

●流動比率
流動資産÷流動負債×100
※流動資産に対してどの程度、流動負債があるかを表示。比率が100%より高ければ、1年以内に費用化できる資産の方が多いこととなる。経営の健全度を図る指標。

キャッシュフロー計算書

続いて、「キャッシュフロー計算書」のパートとなります。キャッシュフローとは企業が、決算期間において、キャッシュの増減(現金の流れ)を表示したものとなります。
※収入があった場合プラスで、支出があった場合マイナスで表記されます。

サイトの説明_ZOZO_抜粋5

●営業キャッシュフロー (青)
事業活動を通して、本業の営業活動からどれだけの現金を稼いだのかが表示される

●投資キャッシュフロー(緑)
投資活動による現金の増減を表示。土地や建物を購入・売却した場合や、子会社を設立したり買収売却した場合は、この項目に表示される。

●財務キャッシュフロー(黄色)
投資活動による現金の増減を表示。有利子負債(借金)の増減や、配当金の受け取りや支払い等は、この項目に表示される

●フリーキャッシュフロー(オレンジ)
営業キャッシュフローから、投資キャッシュフローを加えたもの。一般的に企業が事業活動から獲得した現金から、自由に使うことが出来ると言われています。

ソフトバンクグループのキャッシュフロー計算書を見てみると、

サイトの説明_ソフトバンクグループ_抜粋3

世界中の企業に投資を行っており、フリーキャッシュフローが、毎年マイナスであることが、確認できます。また、有利子負債の項目が大きいことから、財務キャッシュフローがプラスになっています。

関係会社(親会社 子会社など)・類似、競合会社など

ページ下に、関係会社(親会社や子会社)や、似たような事業を行っている競合他社や、資本関係を結んでいる会社のリンクを掲載しています。

そのような企業とグラフの内容を比較することにより、さらに多くの特徴をつかめるかと思います。ぜひ、他の会社のページもご覧ください。

まとめ

本サイトには、売上高や利益を知りたいという理由から、訪問いただいた方も多いかと思います。しかし、資産や負債を表記された貸借対照表や、キャッシュフロー計算書を同時に見ることにより、より深く企業の業績を理解することが出来ることかと思います。

また、グラフ化することにより、高い給与で有名なキーエンスは、非常に高い利益率や少ない負債である事、2018年に新規上場したメルカリは非常に多くの現金を有している事、創業者と現社長のお家騒動があった大塚家具が、赤字継続により、貸借対照表や、キャッシュフロー計算書がどのように変化したかも、私は気づくことができました。

本サイトが、訪問いただいた方のお役に立てる事があれば幸いです。

※本ページは2016年3月期〜2018年3月期の、ZOZOとソフトバンクグループの財務諸表(有価証券報告書、決算短信)のデータを中心に作成されています。